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8㎜フィルム/16㎜フィルムの上映データ表記と規格について

16㎜と8㎜のフィルム寸法表
16㎜と8㎜のフィルム寸法表

FMFで上映するフィルムはほぼ上記の2種類の規格となります。歴史的にはこれ以外にも多くの種類が存在していました。劇場公開用で映画が誕生した際に利用された35㎜、家庭用フィルムとして戦前普及した9.5㎜、16㎜幅を半分にしたダブル8(レギュラー8)などです。また劇場用の70㎜という規格もありました。

また16㎜にもサイレントフィルム(フィルムの両側にフィルム駆動用の穴<スプロケット>がある)もありますし、8㎜にもスーパー8とシングル8があります。


磁気記録(MagneticRecord)と光学記録(OpticalRecord)

音声は大きくサイレントとサウンド(トーキーともいう)に分かれますが、動画の場合、サウンドには磁気記録と光学記録に分かれます。

これを分けて表記する際には磁気記録は「mg」、光学記録は「opt」となります。磁気記録が音声トラック部分に磁性体が塗布されているのに対し、光学記録はトラック部分に音声波形が像として直積書き込まれています。


光学記録は現像所でしか出来ないため、同時録音ができるサウンドカメラや、録音対応のフィルムは全て磁気フィルムとなります。

映写の際にはサウンド映写機が必要で、磁気(mg)と光学(opt)を切り替える必要があります。


スーパー8とシングル8

8ミリはもともと家庭用映画フィルムとして開発された規格で、戦前にコダックが開発しました。16ミリフィルムの半分の部分に撮影し、撮影済のフィルムを裏返して装填することで、未感光側にも撮影でき、現像所で断裁して8ミリ幅のフィルム2本となるという規格でした。スーパー8、シングル8登場後、区別するためにダブル8、レギュラー8などと呼ばれました。

現在8ミリフィルムとして呼ばれるものはコダックが開発したスーパー8、富士フイルムが開発したシングル8となります。フィルムの平面形状は同一のため、映写機は共用できますが、両社とも独自のカートリッジ方式を採用し、その形状と構造が異なるため、カメラはそれぞれ専用機が必要です。


一般にスーパー8はシングル8に比べ、描画力と発色に優れているとされ、ハイアマチュアを中心に好まれました。しかしカートリッジの構造上、巻き戻しに制限があるため、多重露光(オーバーラップ)や逆転撮影といった特殊撮影に不向きです。

一方でシングル8のカートリッジはシンプルな構造のため、全編巻き戻しや逆転撮影が可能で(ただし逆転撮影はメーカーでは推奨されていない)、撮影に対する自由度が高いのが特徴です。発売当初はスーパー8に比べ発色などに難があると言われていましたが、その後、改良されています。カメラはほぼフジフィルムしか発売していませんでしたが、小型で安価なタイプから超高性能なタイプまで取りそろえていて、国内では人気が高いシステムでした。

スーパー8とシングル8はフィルムベースが異なり、厚さが違うため、映写時ピントが変わるため、一つの作品に混在させることが出来ないなどの問題もありました。上映会などで複数の作品を上映する際には、作品毎にピントの調整が必要になる場合もありました。



 
 
 

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